【映画】『この世界の片隅に』を見てきました。【感想】

すごい今更なのですが、知り合いから良かったと聞いていた【この世界の片隅に】という映画を見に行ってきました。
2016年の11月に公開された作品なのですが、まだまだ上映している映画館があるようです。

要所要所の話の内容をざっくりと聞いてしまっていたのですが、日常の描写がとても細かく描かれているので食い入るように見れてとても面白かったです。

画像は公式twitterより

この作品は広島に住む主人公の少女『すず』の人生を通じて、昭和初期の生活と戦時中の変化を描いている作品です。
絵柄は水彩画調でとても優しく朗らかな雰囲気が有り、主人公の『すず』のふんわりした性格が相まってとても癒しと笑いを感じる作品になっています。

戦時中の環境をローカルな視点から描かれた作品といえば【蛍の墓】をまず最初に思い浮かべると思うのですが、私の場合は戦時中であるがゆえの親戚の余裕の無さと、子ども特有の無謀ともいえる行動を見ていると心がざわついてきて【蛍の墓】を見ることが耐えられなくなってしまいます。

ですが、【この世界の片隅に】は戦時中の悲惨な環境をただ客観的に描くのではなく、『すず』の視点からの生活とその周りの村や家庭といった共同体の様子を優しい絵柄で描いているので安心して映画を見ることが出来ます。
しかし、絵柄と『すず』の人柄から醸し出させるやさしい雰囲気の中に、戦時中の暴力的な出来事が混じり込んでくるので、その不条理さ、悲惨さがとても際立って表現されています。
もしこの作品が実写で描かれていたらどこにでもあるような、ただの戦争映画の一シーンになってしまっていたのではないかと思います。

この作品の素晴らしいところは、歴史として教科書でなんとなく学んだことを、『すず』という一人の人間の視点から、国や戦争という自身を取り巻く環境に翻弄され、また家族や村といった周りの環境に助けられ、『すず』自身が体験し変化していく物語として表現することで、視聴者が『すず』を通して歴史を現実として認識できるということです。

私は学生のとき、歴史や社会の授業に興味を持てずまともに勉強していなかったのですが、当時にこの【この世界の片隅に】を見ていたら歴史や社会の教科書の内容をもっと身近に感じられていたと思います。
映画の公式ホームページに【すずさんの生きた時代】というコーナーに歴史の年表と『すず』の生活の年表が並べて見比べられるようになっているので、映画を製作した方たちもより歴史を身近に感じて欲しいと思って映画を作っていたのだと思います。

この映画はクラウドファインディングという製作資金を募って製作した映画だからなのか、宣伝も上映館も少ない映画になっていますが、この作品のPVを見て内容が気になった方がいましたら是非とも見てみてください。
『すず』がまさにこの世界の片隅に生きていく物語なので、同じく今のこの時代のこの世界の片隅に生きている一人の人間として感じるものがあると思います。

また、声優さんの演技も素晴らしいのでそこにも注目してみてください。
特に『すず』の声優さんは『のん(能年玲奈)』さん以外ありえないと感じると思います(笑)

最後にYoutubeの公式PVを貼って締めたいと思います。
ではでは。